ビタミンCが不足するとどんな影響があるの?

ビタミンCが不足するとどんな影響があるの?


ビタミンCという言葉は、栄養面でも美容に関する話題でも出てくるものですが、それが一体どんな働きをしているものなのか、詳しく知らないという人も少なくありません。
ビタミンCは、コラーゲンやカルニチンなのどの、神経伝達物質を合成する働きをもっています。鉄の吸収も促してくれる栄養素なため、ビタミンCが不足してしまった場合には、様々な症状が体に現れるだけでなく、精神面でも倦怠感や疲労感に襲われることがあり、不調をきたしてしまいます。

そこで今回は、ビタミンC不足で起こる影響や、ビタミンCを豊富に含む食材について紹介します。



ビタミンC不足が引き起こした歴史的惨事


ほとんどの哺乳類は、ビタミンを肝臓で合成することができるのですが、人やモルモットなどはそれができません。モルモットやサルなどが生体実験として扱われるのは、人と同じように、ビタミンCを合成することができないからです。

ビタミンCは強力な毒素の中和剤となっているため、病原菌が体内に入ってきた時、病原菌を壊す殺菌剤の役割をしてくれます。そのため、生体実験ではビタミンCを合成できない動物を使うことで、正確なデータをとることができるようになっています。

人がビタミンCを体内で合成できない理由は、明確には分かっていません。ですが、ビタミンCについて研究している研究者のほとんどが、人にはビタミンCを合成するために必要な材料が肝臓内に揃っているという理由のもと、人は太古の時代にはビタミンCを肝臓内で合成することができたと考えています。

ビタミンCの合成能力を失った人間


ビタミンCにはいくつもの美肌効果があります。例えば、コラーゲンを生成してくれるビタミンCを摂取することで、肌のハリを保つことができ、弾力のある肌をつくってくれる手助けをしてくれます。また、皮膚の血行を良くしてくれるため、異常になっていた肌のターンオーバーを正常化させ、くすんでいた肌を明るい色に戻してくれます。

こういったビタミンCの美肌効果を取り入れたいと思っても、ビタミンCだけでは、皮膚には浸透してくれません。そのため、ビタミンC誘導体を使って、皮膚にビタミンCの効果を届けるようにする必要があります。

普通の化粧水にビタミンCをいれてしまうと、すぐに酸化して、効果がでてこなくなってしまいますが、ビタミンCを化学修飾することによって化粧水にしたビタミンC誘導体なら、その心配もありません。 種類によっては油に溶けやすくなっているものもあるため、クリーム状の油性の化粧品と配合させることもできるようになっています。

ビタミンCの合成能力を失ったマウスはどうなるか


マウスは、人やサル、モルモットなどとは違って体内でビタミンCを合成することができます。そのマウスが合成能力を失ってしまうと、通常のマウスよりも早くに死亡してしまいます。

この原因は、壊血病などの病気が発症したせいではなく、ビタミンC不足が長期間にわたって続き、老化が速く進んだことにあります。通常のマウスが摂取できるビタミンCが、合成能力を失ったマウスでは2.5%しか得られなかったことになるため、ビタミンCにある抗老化作用が上手く働かずに、早くに死亡してしまったことになります。

加齢で減少する体内のビタミンC


ビタミンCは、加齢によってその摂取量や血清中のビタミンC濃度が減少したり、低下していくようになります。 現代では新鮮な野菜も果物も手に入りやすくなり、大航海時代に起きた惨状は歴史上のことだと思われがちですが、それは違います。最近ではレトルト食品や調理済みの料理が普及しているため、食生活には便利になっていますが、栄養面では不安の多い食生活となっています。

ビタミンCは調理過程で失われやすいため、加齢によってビタミンCを摂取しにくくなってしまった時は、加工食品の使用は控える必要があります。

ビタミンCが豊富な食べ物


ビタミンCを摂取するためには、ビタミンCが豊富に含まれている野菜や果物を食べるのが一番です。

野菜は、鮮やかな緑色の葉物野菜にビタミンCが多く含まれる傾向があります。赤ピーマンや黄ピーマンがビタミンCを多く含んでおり、トマピーというパプリカの新種として知られる野菜には、赤ピーマンを上回るほどのビタミンCが含まれています。果物類としては、ビタミンCを摂取するためにはアセロラがおすすめです。
アセロラは酸味種と甘味種の2種類に分けられます。ビタミンCが多く含まれているのは酸味種のほうです。いちごやあけびなどは、数個食べればビタミンCを必要なぶんだけ摂取することができるので、おやつ感覚で食べてみてください。ビタミンCは身体に貯蓄できないので、定期的な補給が大切になってきます。